五行0金1木3水2火2土 (每日一题)第23回で関係性を生じ関


第23回では、木火土金水の5つの基本要素(五行)の特性についてお話ししました。今回は五行の間の関係性についてお話ししましょう。

五行の間には、正常な状態(五行のバランスがとれた状態)での関係性をあらわす“相手を生じる関係=相生(そうせい)”と“抑制する関係=相剋(そうこく)”という状態と、バランスの崩れた関係性をあらわす「相乗(そうじょう)」「相侮(そうぶ)」という状態があります。

今回はまず「相生(そうせい)」と「相剋(そうこく)」について見ていきましょう!

「相生(そうせい)」とは“相手を生じる”関係

「相生」とは、「相互助長、相互産生」のこと。

「相生」とは、ある物事がほかの物事を促進したり、育てたりする関係を表します。

図1をご覧ください。

木→火→土→金→水→木の順に、右回りに無限に循環し、次の相手を育てるように作用します。

【図1】五行図(相生・母子関係)

五行0金1木3水2火2土_水木土火金五行代表_木火土金水是否属于五行相克

図1を、「木」から順に矢印の順にみていくと、めぐり巡って、相互に「生む関係」「助長する関係」「依存し合う関係」が浮かび上がります。以下が相生関係のイメージです。

相生関係イメージ

木生火(木が火を生む)

木をこすると火が生じ、木が燃えて火になる

火生土(火が土を生む)

火は木を燃やし、灰(土)を生じる

土生金(土が金を生む)

土の中から鉱物(金属)が採掘される

金生水(金が水を生む)

岩石の割れ目や地層のすきまに地下水がある(諸説あり)

水生木(水が木を生む)

水が草木を生長させる

また、相生関係は、“母子関係”ともいわれます。「我を生む=母」、「我が生む=子」を意味し、五行のうちの一行はどれも、「母」でありながら、「子」でもあります。例えば、「木生火(木が火を生む)」においては「木=母」「火=子」の関係ですが、「水生木(水が木を生む)」では、「水=母」「木=子」の関係になります。それゆえ、木は「火の母」「水の子」などとも呼ばれます。

相手を抑える「相剋(そうこく)」とは

「相剋」とは、「相互抑制、相互制約」のこと。

「相剋」とは、ある物事がほかの物事を、制約したり抑制したりする関係を表します。(「剋」には「勝つ」という意味があります)

五行全体のバランスを保つために、行き過ぎることがないよう互いに抑え合います。

図2をご覧ください。

木剋土(木は土を抑える)→土剋水→水剋火→火剋金→金剋木の順に無限に循環し、次の相手を制御するように作用します。

【図2】五行図(相剋)

木火土金水是否属于五行相克_水木土火金五行代表_五行0金1木3水2火2土

水木土火金五行代表_木火土金水是否属于五行相克_五行0金1木3水2火2土

図2を、矢印の順に見ていくと、巡り巡って、相互に「抑制する関係」が浮かび上がります。以下が相剋関係のイメージです。

相剋関係イメージ

木剋土(木は土を抑える)

種(植物)は土をやぶって出てくる、木が土砂崩れを防ぐ、

草木は土に根をはって土の養分を吸収する

土剋水(土は水を抑える)

土は水を吸収して、せき止める

水剋火(水は火を抑える)

水は火を消す

火剋金(火は金を抑える)

火は金属を溶かす

金剋木(金は木を抑える)

金属(斧・ノコギリなど)は木を切り倒す

相剋関係では、五行のうちの一行はどれも、「我が剋す=相手を抑制する存在」でありながら、「我を剋する=自分が抑制される存在」でもあります。

例えば、「木剋土(木が土を抑える)」の関係では、「木=“相手を抑制する側”」「土が“抑制される側”」ですが、「金剋木(金が土を抑える)」の関係では、「木=“抑制される側”」「金が“相手を抑制する側”」の関係になります。

自然界や人体は「相生と相剋」でバランスが保たれる

前述した通り、「互いに生む“相生”」と「互いに抑える“相剋”」は、正常な状態での正しい五行の関係性をあらわしています五行0金1木3水2火2土

「外側の力“相生”(図1)」と「内側の力“相剋”(図2)」の力を合わせると、5つの要素は安定してバランスが整う、世界がうまく循環して調和する、と五行説では考えます五行0金1木3水2火2土。「五行」の「行」には「めぐる」という意味があります。

相生と相剋を合わせた五行図は以下のようになります(図3)。また、“相生”と“相剋”を合わせて、“制化”と呼びます。

この図は、今後しょっちゅう出てきます。できれば声に出しながら理解し、自力で書けるようにしておくと便利ですよ!

【図3】五行図(制化)

水木土火金五行代表_木火土金水是否属于五行相克_五行0金1木3水2火2土

五行の「一行」にはすべて、他の一行との相生関係を表す「我を生む」「我が生む」、さらにそれとは別の一行との相剋関係を表す「我を剋する(こくする)」「我が剋す」の計4つの関係が常に存在しています。

少しややこしい話になりますが、相生関係の中にも「抑制する関係」があり、相剋関係の中にも「生む関係」が存在します。

例えば、木の「我を生む」ものは水、木の「我が生む」ものは火、になりますが、水は火を抑制します。他方で、木の「我を剋する」ものは金、木の「我が剋す」ものは土、になりますが、土は金を生み出します。

このように、五行は孤立・静止して存在するものではありません。

あらゆるものは、五行間を絶え間なく循環する複雑な関係性のなかで過剰や不足がコントロールされ、全体として均衡のとれた状態が保たれる、と五行説では考えます。

自然界の生態系のバランスや季節の循環、人体の生理的なバランスなど、調和・統制のとれた事柄は、絶えず産出して(相生)、破壊する(相剋)五行の運動変化によって説明できます。

次回は、五行のバランスの崩れた状態をあらわす「相乗(そうじょう)」「相侮(そうぶ)」についてお話しします。お楽しみに!

<参考文献>